大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)648 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人河島徳太郎の上告趣意について。

論旨は、縷々陳弁しているのであるが、要するに原判決は合理的でない事実の認

定をして裁判したのであるから、正しい裁判を受ける被告人の権利を奪つたもので

あつて憲法第三二条に違反するというに帰着する。しかし、憲法第三二条にいう「

裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」という意味は、すべて国民は憲法

又は法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の

機関によつて裁判されることはないことを保障したものであることは当裁判所の判

例とするところである(昭和二三年(れ)第五一二号同二四年三月二三日大法廷判

決)。されば、原審に事実の誤認あることを理由として前記憲法の規定に違反する

ことを主張する論旨は理由がなく、また本件は刑訴第四一一条に該当する場合とも

認められない。

よつて、刑訴第四〇八条に従い主文のとおり判決する。

以上は、裁判官長谷川太一郎に前記判決に記載された反対意見ある外、裁判官全

員の一致した意見である。

昭和二五年一二月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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